プランターの土に野菜くずやコーヒーかすを混ぜてみた備忘録
2022-12-1
先日投稿した「コーヒーかすを肥料にしたい」にも書きましたが、「土と内蔵」という本の中で、自宅の不毛の庭にコーヒーかすやら落ち葉やら大量に置いておいたら肥沃な土になった、というような話が載っていて、プランターでもいけるのかなと、試しにやってみることにしました。ネットで「野菜くず 堆肥 プランター」で検索すると、ためになる情報がたくさんでてきました。本もいろいろ読んでみたのですが、いちばんためになったのがこの本。
家庭でできる堆肥づくり百科/デボラ・L. マーチン, グレイス ガーシャニー
専門的な難しい本なのかと思いきや、語りかけるようなやさしい文章で丁寧に書かれているのですごく読みやすかったです。土と微生物と堆肥への愛で溢れている感じで、すぐにでも土に何かしら混ぜて微生物を育ててみたい気持ちになりました。
その中から特に参考になった部分を備忘録としてまとめてみます。
失敗の原因など
- 堆肥づくりが失敗する原因はだいたい「窒素不足」。
発熱しなかったり分解速度が遅い堆肥の山は、ほとんど必ず窒素が不足している。
バクテリアが活動し、生命を維持するには窒素が必要。(刈り取られたばかりの雑草など) - 好気性のバクテリアの方が土にとっても好ましい。
- 分解速度が遅い原因は空気不足である場合が非常に多い。→定期的に土を切り返す。
- 温度が13℃以下になると、バクテリアは休眠状態になる。
堆肥の素材になるもののうち我が家で出るもの
- バナナの皮・・・堆肥の山に入れれば微生物の活動が活発になる。
- コーヒーのかす・・・酸性。そのまま放置しておくとすぐに酸化(酢を作る)、酢酸菌が増え、ショウジョウバエが寄ってくる。
- じゃがいもの皮・・・貴重な窒素源で、そのほかの微量要素も含む。
- 土・・・必ずしも必要でないが、莫大な数の土中生物が腐食物に変えてくれる。
- お茶かす・・・マルチ材としても堆肥の山に加えても有効。
- かんきつ類の皮・・・皮が厚い程窒素を多く含む。ただし、殺虫剤がかかっているので、100%安心したい場合は有機栽培のものを使う。
堆肥をいつ施用すればいいのか
- 半熟、または明らかに繊維質が多いものは10月か11月に施用すると春までには土の中で分解を終える。
- 土を肥やすための理想的な堆肥の施用時期は、植え付け時期の1か月前。
- 植え付け時期に近い程、よく粉砕されたものを土にすき込まなければならない。
- 秋に堆肥ができて春まで使う予定がなければ風雨にさらされないところに保管。
夏に保管する場合はときどき水遣り。 - 0℃ぐらいで土中生物は活動を始める。活発な活動が起こるには10℃以上の土中温度が必要。
- 完熟堆肥は施用しすぎても根焼けを起こす可能性はほとんどない。
- 未熟堆肥は発芽率を悪化させたり、生長を妨げる。植え付け直前に使うときは注意する。
アパートなど、堆肥を作るスペースがない場合に袋で堆肥を作る方法
■必要なもの- ジップロック
- 有機廃棄物(コーヒーかす、お茶がら、果物の皮、落ち葉、刈り芝、種を取ったりんごの芯。にんじん、じゃがいもの皮 何でも。細かく切ったり割いたりすればするほど効果的)
- 庭の土・・・120ml、(または腐葉土、できあがった堆肥、殺菌園芸用土は不可)
- アルファルファ粉末・・・大さじ1 またはペット用のアルファルファ
- 水・・・大さじ2
- 袋の口を閉じて袋をよくふる。毎日袋をもみ、1日おきに袋の口を開け放し空気を入れる。
悪臭がしたら水分が多すぎるか、もっと混ぜる必要があるかのどちらか。
4~6週間で使えるようになる。
実践の記録です
こちらは先日投稿した、知らない間に発酵がすすんでいた乾燥コーヒーかす。こちらは、2~3回野菜を植えて、ろくに育たなくなってしまった不毛な土です。
ここにまずは発酵しかけのコーヒーかすと腐葉土を投入。投入開始は2022/3/12です。
その後、毎日野菜とフルーツの皮、お茶がら、コーヒーかす、米の研ぎ汁などを投入。
具体的には、野菜の皮やヘタ、キャベツやレタスの芯、バナナ、りんごの皮、熟しすぎて腐らせてしまった果物、緑茶パック、麦茶パックの出がらしをパックから出して投入、米の研ぎ汁は最初の濃いものだけ。臭いが心配なので動物性のものは入れませんでした。
乾燥気味なら水を足して、でも水っぽくならないように調整。
端から穴を掘り投入、翌日はその横に穴を掘り投入。
分解が進んできたら下からかき混ぜて空気を入れるようにしました。
下の写真は投入開始から約1ヶ月後の2022/4/21の写真です。いい感じに黒っぽくなってきました。
最初のうちはなかなか分解が進まなかったのですが、土が黒っぽくなってきたら分解が早くなりました。気温のせいもあるかもしれません。
サラサラして砂埃が舞うような土が、サクサクした質感に変わってきました。
一旦投入を終了して、固形物の形がなくなるまで置いておくことにしました。乾かないように時々水をまいて下からかき混ぜます。
約1ヶ月後(2022/5/28)、できあがった土に、有機石灰と市販の発酵油かすの玉を適当に混ぜたものに、種から苗ポットで育てていた青じそを定植しました。
プランターの底には鉢底石を敷いています。
発酵油粕は混ぜなくても良かったのかもしれませんが、肥料の偏りが気になったので念のため混ぜ込みました。
水をかけてみて感動!水がすーーーっと染みていきます。
去年は使い古しの土に土壌改良材を少し混ぜたところにバジルの苗を定植したのですが、排水性が悪くてなかなか水が染みていかず、しばらく土の上に水たまりができていたのです。結局ろくに育ちませんでした。
今回の土は微生物が団粒化してくれたみたいで、水の通路ができているようです。すごい!!!
こちらは撤収前の写真です(22/8/30)。もりもり育ちました!
ただ、味はいまいちだったかな・・・たぶん直射日光のせいだと思われます。南向きのベランダなので真夏は過酷な暑さなのです。それか苗の育て方が悪かったのかも。固くて香りはいまいちでした。
こちらは青じその約1ヶ月後(2022/7/4)に定植したバジルの苗のその後です(2022/10/3)。青じそと同じく発酵油かすと有機石灰を混ぜて、底に鉢底石を敷きました。
こちらももりもり育って11月の頭まで収穫できました。葉は真夏は硬かったけれど、10月に入ってから出た葉は柔らかくなってきました。やはり青じそと同様、直射日光に当たると葉が硬くなってしまうのかもしれません。でも青じそと違って真夏も香りはしっかりしていました。
青じそとバジルはぐんぐん育ったという意味では成功かなと思います。
放置していた不毛な土でもまた植物を育てられることがわかって大満足です。
ただ、夏場はコバエが結構湧きました。ベランダ中を大量にブンブン飛んでるというわけではなく、土とプランターの上を歩いている程度だし、コバエも優秀な分解者らしいので耐えました。
発酵が終わると虫はいなくなりました。
そして現在(2022/11/11)ラディッシュと小松菜を育てています。発酵油かすと有機石灰を混ぜた土に直接種を蒔きました。今のところ順調ですがうまく成長するでしょうか??またアップします。
追記(22-12-1)
100均で買った小さめのプランター2つにラディッシュを植えました。上に書いた通り、発酵油かすと有機石灰を混ぜた土に直接種を蒔きました。の2つのプランターのうち1つはいい感じに育っています。
ぷっくりしてきました。
大きめの2個だけ収穫してみました。いい感じです。
もう一つのプランターの方は、ラディッシュがまだふくらみきらない内からひび割れが出てきました。種も土も同じで、同じタイミングで水遣りしていて、葉の育ち具合も似たような感じなのに、根の成長に差が出てしまいました。謎です。置き場所だけが違って、日の当たり方が少し違うのでそのせいなのかもしれません。